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sk8 灯油でオイルベアリングクリーニング べ~ぶるの試行錯誤

前ページでオイルベアリングをクリーニングする為の準備は整いました。
ベアリングって目立たないけど重要な仕事をしてくれています。仮にホコリのないところでスケートしてもベアリングが回転することによって金属カスはどうしても内部に発生してしまうんです。オイルも古くなります。変質・劣化するんですね。
それに加えて、地面の上で使うものですからゴミ・チリ・ホコリはベアリングカバーの隙間から入ってきてしまい、ベアリングの内部が異物で傷つき消耗していくわけです。
これは本来のベアリングの姿ではないわけです。人に例えれば、汗だくで泥汚れがついた身体です。キレイな方がいいですよね。ということで洗浄に掛かります。

「ベアリングがバラバラになってしまった、なかなか組み立てられない」という困ったことが起きた場合には、簡単な組み立て方を取り上げています。詳しくはこちら → ビルトインベアリングの組立 ~組み立て治具の自作~

洗浄

ここからいよいよ洗浄ですが、ベアリング洗浄の道具としてBONESなどのメーカーでは洗浄用のボトルキットみたいなものを市販しています。ボトルに洗浄液とベアリングを入れてシャカシャカ振ってベアリング内部を含め全体を洗うわけです。

BONESさんのはよく考えてあります。ベアリングを傷めないように芯に通して固定するんですね。よくできているのにこのお値段は値打ちがあると思います(なんで上から目線なの!?)。

だが、しかし、わたくしには、振るだけでは不十分に思えてしまうので、洗浄液の中でベアリングの本来の動きをさせたいと思いました。ベアリングは外輪・内輪・ボール・リテーナー・シールドからなりますが、内輪と外輪の間でボールが転がり続けることによって=抵抗少なく回ることで、その機能・役割を果たすわけです。

ボールが接するのは点、ボールが動く部分は線、点の周りにある古いオイルに絡まったホコリを除去するには洗浄液の中で動かした方がいいわけです。まあ、そこまで神経質にならなくてもいいかもしれませんが、どうせ洗浄するなら極力きれいにしたい。

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洗浄に使う道具

洗浄用容器

洗浄液には灯油を使います。油汚れがきれいに取れます。灯油を入れたペットボトルに、ガラス瓶の容器が2個。これは洗い物をする時に粗く洗うのときれいに洗う桶を別にする、なんてことをよくしますよね。それと同じで大雑把に洗う容器は汚くなって、その後もう一つの容器で洗うとそんなに洗浄液が汚れない、という風にする為ですが、今回は1個だけ使いました。
別に灯油じゃなくてもいいんですよ。洗剤でもアルコールでも。。。台所用洗剤とパーツクリーナーでの洗浄もつぎのページに記載していますので、ご覧いただければと思います。

灯油をビンに取り分けて

灯油をビンに取り分けて

実は今回初めての洗浄でありまして、自作道具を使うことでどれだけ洗浄液が跳ねるのか判らないので、深いなめたけのビンを使います。

今回のベアリングクリーニングは灯油を使っています。灯油の中にリテーナーを外さないままベアリングを浸けていますが、ベアリングリテーナーの材質によっては灯油によって変質の危険性がありますので、気になる方はリテーナーを灯油に浸けない方がいいので、その点ご了承ください。

ベアリングをポトンと投入※ロールオーバーイメージです。

洗浄液に投入

「どうして1個なの?8個じゃないの?」と疑問を持った方もいらっしゃるかも。。。汚れを溶かし出すだけなら8個全部投入していいんです。が実は自作道具を使う為1個だけ入れております。次の動画をどうぞ。

マシンを使う

この洗浄の為に自作した、名付けて「ベアリングスピナー」くんでベアリングを回転させながら洗浄してみたいと思います。洗浄液の中に入れたベアリングの内輪にベアリングスピナーくんのシャフトを差し込んで、スイッチオンです。

もともと軽くよく回るベアリングです。ベアスピくんのシャフトの先端は内輪に接して内輪とボールを動かします。外輪を押さえなくても内輪とボールは動いてくれます。これでベアリングの内部まできれいに洗浄できるわけです。

大いなる汚れを期待したものの

まだきれいな方

このペニーはトータル1時間も乗っていないのできれいなものでした。ほとんど汚れは見受けられませんでした。これじゃレポートにならないよね。こののち、残り7個も同様にクリーニングを行いました。でもベアリング外輪・内輪・ボールはきれいです。

おおっと!!

ベアリングのあとで

シールド・リテーナー・ベアリングスペーサーを一度にまとめて瓶に入れて振ってみたところ、おおっ!汚い!洗浄した甲斐がありました。

今回のベアリングクリーニングは灯油を使っています。灯油の中にリテーナーを外さないままベアリングを浸けていますが、ベアリングリテーナーの材質によっては灯油によって変質の危険性がありますので、気になる方はリテーナーを灯油に浸けない方がいいので、その点ご了承ください。

目に見える汚れ

汚れが取れた

細かいホコリがありました。洗浄して良かったと思えますね。この灯油はまだ使えそう。。。(「どこまで使うねん!?」と突っ込まれそう)

実はちょっと失敗が・・・

オーノー!!溶けてるし!!!

溶けてるし!!!

自作「ベアリングスピナー」ですが、ベアリング内輪に接する改造部分が、灯油で溶けました。失敗!!そこで改造の上に改造をいたしました。物好きな方はこちら→ 自作ベアリングスピナー ベアリングスピナー改良

乾燥

乾燥中

乾燥途中

クリーニングのあと、灯油の成分を揮発させます。ある程度ウェスで拭き取っているので、すぐに乾きます。洗浄が終わってピカピカでしょ?これは意図的にストロボを炊いて光り輝くように撮影しています。そう、写真は光を写しているんですね。写真は魔物でございます。画像処理ソフトで別物にもできますし、ね(^_^;)。

ベアリングリテーナー装着

リテーナーを外すとこんな感じ

リテーナーを外すとこんな感じ

リテーナーはベアリングの回転と同時に洗浄できているはずですが、リテーナー自体が突起だらけなので、リテーナーのみをもう一度洗浄しました。乾いたリテーナーをまずはボールに嵌め込みます。

今回のベアリングクリーニングは灯油を使っています。灯油の中にリテーナーを外さないままベアリングを浸けていますが、ベアリングリテーナーの材質によっては灯油によって変質の危険性がありますので、気になる方はリテーナーを灯油に浸けない方がいいので、その点ご了承ください。

リテーナー装着の仕方

ボール位置を整えてリテーナーを装着

※ロールオーバーイメージです。マウスカーソルを合わせると画像が替わります。ボールは7個。リテーナーはボールを保持する役目ですが、リテーナーのミゾに合うようにリテーナーを軽く当てながらボールの位置を「自作シールド外し」を使って整えていき、リテーナーをはめ込みます。力は要りません。

嵌め込み動画

ベアリングシールド装着

次にシールドをベアリングにはめ込みます。パチってハマります。この作業前に注油してもいいんですよ。そう、ここでオイルを注しておけばいいです。今思いました(^_^;)。

注油

注油については簡単メンテナンスのところオイルベアリング注油 で紹介しています。オイルを馴染ませたらメンテナンスは終了。

ウィールへ装着

あとはベアリングをウィールにセットしてトラックに組み込めば即乗れます。

効果が感じられない人

あなたはとてもマメで物を大切にする人です。それでいいのですよ。この作業はやり甲斐がない方がいい、そんな作業です。その分ベアリングは長持ちしますからね。

洗浄の効果が実感できた人

洗浄の効果がわかるのは嬉しいことかもしれませんが、手放しでは喜べないことなんです。洗浄するまでベアリングにはひどいコンディションでかなりの負荷を掛けていた、という裏返しでもあるからです。ホコリを咬み込むことでベアリングは消耗しているわけです。でも、まあ、きれいになってよかった、今後はもっとマメに手入れしてやるか!ということで。。。

組み込んで乗ってみると

上記洗浄の効果について書いておきながら、非常に申し上げにくいのですが、めちゃくちゃ走るようになりました。目を剥くぐらいに(^_^;)。クエスチョンマーク出まくりだけどうれしい・きもちいい。
なぜ、このようになったのか考えられる原因は、新品状態で
○ オイルが切れていた・・・オーストラリア製で日本に入ってくるのは船便でしょうから、赤道を通過してくるわけで高温にも曝されているわけですよね。。。油分が切れていたのかな???
○ 既にホコリが混入していた・・・どういう環境の工場で生産されて、どういう環境のもと運ばれてきて、どういうところに保管されていたか分からないし、ベアリング製造時点で内部が汚れていたか、どうなんでしょうね。新品がきれいとは思っていませんので、新品でもまずクリーニングしてから使った方がいいのかも。。。神経質???
○ 新品ベアリングのオイルは保護用だった・・・回転用ではなく、潮風が船内に入っても錆びて傷まないように、保護用のオイルが入っていた???これはほとんどのスノーボードの出荷時に雪面を滑る目的のワックスではなくソールを保護しツヤを出すためのワックスが塗ってあるのと一緒かも。。一部といっても王者バートンはベースワックス練り込み済みと謳っていますけどね。
用途の違うオイルが使われているのかも。確かに出荷してもいつ開封するか分からない、その時に錆びてたら品質疑われるし返品されちゃいますもんね。これかな??

洗浄しての滑走をした感想

今回とてもいい勉強が出来たので、今後は新品で買ったものでも使う前に洗浄することにします。
ベアリングを含めたスケートボード全体が消耗品なので消耗していくわけですが、ベアリングは「洗浄」と「注油」というメンテナンスをしてやることで、その消耗を遅らせて長持ちさせることができます。 スケートボードがストレスなく走るのは気持ちいいですよね。進まないとくたびれるだけ。。。

よくある質問と答え

Q:どのくらいの割合でメンテナンスすればいいですか?

A:どのくらいの周期・間隔でメンテナンスするか、ということですが、これは使用環境によって千差万別ですね(^_^;)
砂埃が舞うような場所でのスケーティングなのか、埃っぽいところでの保管なのか、1ヶ月に何時間回転しているのか、、、まずは月に1回位を目安にされてはいかがでしょうか。

メンテナンスした時に、「結構汚れているな」と感じれば間隔を狭めるとか。。。
どこまでも趣味の世界なので、負担に感じない、ご自分で出来る範囲でいいと思います。無理せずメンテナンスをも含めて楽しいスケートライフが送れたら幸せだと思います。

道具を大事にすると道具は応えてくれると思っています。

今回のベアリングクリーニングは灯油を使っています。灯油の中にリテーナーを外さないままベアリングを浸けていますが、ベアリングリテーナーの材質によっては灯油によって変質の危険性がありますので、気になる方はリテーナーを灯油に浸けない方がいいので、その点ご了承ください。

つぎのページは、ベアリング洗浄の方法 です。

灯油以外での洗浄方法一覧はこちら オイルベアリングを台所用洗剤で洗浄 オイルベアリングをパーツクリーナーで洗浄

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